道東をまわるドライブの目的はある場所に行くことでした。
それは北海道の地図をみて奇妙な場所を発見したところから始まります。北海道の東のはてに細長い半島があるのです。高校のとき地理を選択していた僕はピンときました。
砂嘴(さし)だ。
※岬や半島に続き、砂が堆積して海に突き出た地形のこと。似たようなものに砂州(砂嘴の先端が伸びて入り江を塞いでしまったもの:天橋立など)や陸繋砂州(島につながったもの:函館など)があるので受験生は注意!
その場所は野付半島といい、日本最大級の砂嘴とのこと。(そこまでは覚えていなかった。)
道が走っているらしく、左右を海に囲まれた道を走ってみたいと思い向かうことに決めました。どんな絶景が待っているのだろうとワクワクしていました。
実際に野付半島を走ってみると意外と幅が広く、左右に海があるという感覚にはなりませんでした。とりあえず車で行けるところまで行きました。
砂が積もってできた地形なので、高いところはなく平らな景色が広がっていました。絶景というよりは寂しい風景でした。そしてめちゃくちゃ寒いのです。4月の頭なので気温が低いのはもちろん、海に突き出た場所で風をさえぎる高いものもないのでとても風が強かったです。荒涼感がただよう場所でした。
道沿いの街灯も寂しげでした。
その後、野付半島ネイチャーセンター からトドワラと呼ばれる立ち枯れした木々まで歩いて行きました。
ネイチャーセンターからはこんな景色が見られました。
トドワラまでの1.5kmの道はこんな感じの遊歩道でした。半島から飛び出た場所なので左右に海岸が見られます。気分はゲームの世界にいるようでした。
草むらの道をぬけると次は木道の上を歩きました。潮が満ちたら海の上を歩いているようになるのでしょうか。
そしてトドワラへつきました。思ったよりも木が少なかったです。風化によって年々少なくなって来ているようです。
遠くから見るとかなり少なく感じます。
後で野付半島を紹介したサイトをみたところ「この世の終わりの風景」と書かれていました。確かにこの時期の野付半島は終末感があり、ぴったりの言葉ですね。
しかし、夏になると草花が生い茂り野鳥も多く見られるということなので、いつか色づいた野付半島を見にいきたいです。
朽ちていく木々とこれから咲く花の対比に、「この世の終わり」の中にも始まりはあるのだと考えさせられました。絶景を期待していましたが、期待とは違うどこか寂しくしみじみとするような景色を見ることができました。
これでドライブの目的は終わりなのですが、せっかくなので北海道の最東端東をみてみることにしました。根室市の納沙布岬です。
この場所でも寂しさを感じさせられました。目をこらせば北方領土の国後島が見られるのですよね。今行ける日本の場所の中で一番早く太陽が登る場所でしたが、風の強さや寒さと領土問題で暗く厳しい雰囲気を感じました。
荒涼感のある景色で心までしみじとしてしまいましたが、心のどこかにファンタジーの世界にいるようなワクワク感もありました。今まで見たことのない景色が見られたので良いドライブだったと思います!